ウルヴス、夜に発つ
「 相棒ウルヴス、夜に発つ 」

その夜、群れをそっと抜け出す者がいた。
続いて後を追うようにもう一匹。

「おい、一匹で行く気か?」
「そうだと言ったら」
「なんだよ水くせぇな。俺たち相棒だろ」
相棒と言われた白っぽいオオカミは、僅かに口角を上げてフっと短く息を吐いた。
「どうせ何を言ってもついてくるんだろう」
いつも適当にあしらわれていた茶色いオオカミは、予想外の反応に瞠目した。
投げやりな言葉に聞こえるが、その表情は決して彼を拒むものではなかったからだ。
「どうした。行かないのか?」
「あ、たっ、行くに決まってんだろ!」
いつの間にか歩き出していた白っぽいオオカミを、茶色いオオカミが追いかける。

二匹のオオカミの旅路を、どこまでも月が明るく照らし出していた。

2008 11/3 オリジナル
画面サイズ:B4
使用画材:パステル(ニューパステル、その他ソフトパステル等),色鉛筆(パブロ、イーグルーカラー),ケント紙

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